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自民政権の繭の中で 夢を見続ける野党の群れ【2024年10月号2面】

2024-10-01
カテゴリ:政治
注目
千葉の近現代史を創った男「櫻井俊雄」の 世相を斬る  作/武田弥太郎
自民党総裁選の意味

自民党の総裁が決まった。
自民党の凄みは、党の総裁選がすなわち日本国の首相を選ぶこと、という文脈であらゆるメディアに「報道させる」ムードを作り出す点だ、と俊雄は言う。解散総選挙で勝利するまでは、石破首相はあくまでピンチヒッターだ。選挙という国民の審判を経て、はじめて「本物の首相」として仕事ができると俊雄は考えている。

その意味で、もし仮に石破首相のもとで行う解散総選挙で地殻変動が起きれば、「自民党以外の政党」の党首が首相になることも十分にありうる。しかし、今の日本に、そのような気迫をもって政権交代を目指している政党があるだろうか。野党第一党の立憲民主党にしても、同第二党の日本維新の会にしても、もはや次の選挙では「置きに行く選挙」を標榜しているようにしか俊雄には見えない。

その理由は、自分たちが政治生命をかけても成し遂げたいというビジョンの欠如からではないだろうか。もっと具体的に事例をあげよう。今国民は「政治と金」に関する自民党の度重なる失態に対して、心の底からうんざりしている。しかし、そのような「古い政治」の中心にある「金がらみ」の部分に、野党たちは切り込むことができていないと俊雄は指摘する。

例えば、自民党の派閥裏金事件についても、領収書不要で毎月100万円国政政治家に配られる「旧文通費」についてもそうだ。解散総選挙を控えた今、「これを読んでくれている読者の皆さんは、ご自分の選挙区の野党候補者が、それらについてどう取り組んでいるかご存じだろうか?」と俊雄は問いかけた。


お約束の本人不在のメディア批判

このようなことを野党候補者に言うと、必ず帰ってくる答えは「私たちはやっているが、メディアがとりあげてくれない」というものだ。

そこで俊雄は候補者に次のように問いたいという。例えばあなたが毎月、報酬以外で受け取っている100万円の旧文通費で、「政治と金」について、あなたやあなたが所属する政党がどう戦い、国民に何を訴えたいのか、新聞折込み等を使って言論を展開しているか? SNSやYouTube等の動画を使って自民党政治における「政治と金」の問題について情報発信しているか? ネット言論ならば、もはや費用はほぼかからないだろう。

その意味で、旧文通費をもらっていない候補者でも毎日情報発信できるが、ネットでみることができるのは「今日は駅前で街頭演説を実施しました」とか「学生さんからに激励の言葉をいただきました」等のどうでもいい情報がほとんどだと俊雄は嘆く。


石破政権に期待すること

このままいけば、解散総選挙では石破自民党は勝つだろう。だから、最後に石破政権に期待する「防災対策」について申し述べておきたいと俊雄はいう。

今、地方自治体の防災対策は遅々として進んでいない。他方で、台湾の防災対策を学んだ石破氏は、防災について積極的な発信をしている。国防に対する危機感を強く持つ台湾が、防災先進国であることは偶然ではないだろう。

千葉、東京が震源地となる東京湾北部地震の可能性が叫ばれる中、国防にも強く、したがって防災にも強い関心をもつ石破氏には、その点についてしっかりリーダーシップをとって前に進めてくれるだろうと俊雄は新たな政権に期待している。
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