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トピックス

キキミミポスト「ホクロを除去した話」 byオハラ キキ【2024年7月号5面】

2024-07-04
カテゴリ:コラム,連載
みなさんはご自身でコンプレックスを感じているポイントはありますか?
私の長年のコンプレックスは頬のホクロでした。中学生のころから目立つようになり、高校時代もずっと気にしていました。
大人になって、たまに友達から「ホクロはチャームポイントだよ」と言われることもあったので「まあ、いいか」と思いながらも、「ここぞ」というお出かけのときはコンシーラーで隠すこともありました。

あるとき、友人の子ども(幼稚園に通う娘さん)が私の似顔絵を描いてくれたのですが、それにはしっかり、実物より大きめにホクロが描かれていました。子どもは正直ですよね(笑)。
「やっぱり他人から見たら、ホクロはこれだけ目立っているのか」とショックでした。考えてみれば、私は鏡を見る度に、真っ先に目がいくのは頬のホクロであり「これがなければ、私、もっとイケてるかも」なんて思いながら(笑)、もう何十年も我慢してきたわけです。

さあ、もうこうなったらホクロを除去するしかありません。当時、私はもう40代後半でしたが「今さら」という気持ちはキッパリ捨てて、いざ出陣。JR西千葉駅の近くにある親切なクリニックで、レーザーの施術を受けること、たったの数分、あっという間にホクロは跡形もなく消えました。あまりの手軽さに、どうしてもっと早く除去しなかったのだろうと後悔したものです。
うれしさ半面、「親からもらった身体にメスを入れるなんて」と昭和の教えが頭によぎった私は、早速帰省して母親にホクロを除去したことを伝えたところ「頬にホクロがあったの?」と母。実にビックリでした。さらに後日、何人かの友人に「見て。頬のホクロ取ったよ」と報告すると、なんと全員から「え? ホクロあったっけ?」と言われました。他人からもっとよく見られたいと思って施術を受けたのに、何十年もホクロを気にしていたのは、どうやら私だけだったようです。

残念ながら、母からも友人からも期待していたリアクションは得られませんでしたが、ホクロを除去してからは、鏡に映る自分を見てなんとも晴れやかな気持ちです。コンプレックスは自分の問題、だから自己満足でいいんですよね。自己満足の連続が幸せな人生なのだから。

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